有酸素運動は、20分未満でも意味があります。「20分たつまで脂肪が全く使われない」という仕組みではありません。
こんにちは、モリショーです。僕は2020年に「有酸素運動は20分以上続けないと脂肪は燃えないのか?」という話をしました。
気になったのは、20分という数字に縛られてしまうことです。時間がない日や、久しぶりの運動で20分も続けられない人にとっては、「それならやっても無駄か」となりかねない。
当時は「半分ウソ」と書きましたが、結論をもっとはっきりさせます。短時間でも動いていいです。ただし、運動中に脂肪を使うことと、体脂肪が減ることは分けて考えましょう。
脂肪は20分後から燃え始める?
いいえ。身体は糖質と脂肪を組み合わせてエネルギーにしていて、20分で燃料が丸ごと切り替わるわけではありません。
その割合は運動のきつさや時間などで変わります。「開始時は全員40%」「20分を超えたら必ず脂肪の割合が糖質を超える」と、一つのグラフで決めることはできません。
たとえばRomijnらの研究(1993年)では、トレーニングを積んだ5人を対象に、異なる運動強度で糖質と脂肪の利用を調べています。燃料の使われ方は強度によって異なりました。この研究を、誰にでも同じ割合や時間が当てはまる表として使うこともできません。
また、「最初の20分は筋肉の中の脂肪だけ、その後にお腹の脂肪」という順番でもありません。脂肪がどこにあるかを、タイマーの区切りに結び付ける必要はないです。
10分ずつに分けてもいい?
はい。朝10分、夕方10分のように分けても、身体を動かした時間は無駄になりません。
途中で休んだから、それまでの運動がゼロになるわけではないです。以前の記事にあった「休憩が長すぎると意味がなくなる」という説明は適切ではありませんでした。
厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023の成人向け案内でも、今より少しでも多く動くことが勧められています。運動だけでなく、歩いて移動するなど生活の中の活動も含めて考えます。
次のような組み方なら、まとまった時間を取れない日にも取り入れやすいと思います。僕の実施記録ではなく、始め方の例です。
- 運動が久しぶり:まず5〜10分、無理のない速さで歩く。
- 20分まとめて空かない:朝と夕方に10分ずつ歩く。
- 座る時間が長い:仕事や家事の合間にも立って動く。
同じ合計時間でも、速さや負荷まで違えば消費エネルギーは同じとは限りません。「分割したらあらゆる効果が完全に同じ」という保証ではなく、短い時間も活動として積み上げられる、という話です。
家でできる候補は、運動のハードルを下げる小さな始め方にまとめています。
脂肪を燃やせば、その分だけ痩せる?
運動中に脂肪を使っても、それだけで長期的に体脂肪が減るとは限りません。食事を含めたエネルギーの収支が関係します。
ここが「何分やるか」より先に整理したいところです。
脂肪を使う運動をしたからといって、食べる量を無制限に増やせるわけではありません。逆に、短時間の運動でも、食事と一緒に続ける取り組みの一部になります。米国NIDDKの解説でも、減量では食べ物・飲み物から入るエネルギーと、使うエネルギーの関係を説明しています。
僕が言いたかったのも、20分の達成だけでダイエットを判断しないでほしい、ということです。食事の組み方に迷うなら、減量を始める前に整理したい食事と運動の基本から見てみてください。
筋トレをしているなら、有酸素運動はいらない?
筋トレと有酸素運動は両立できます。有酸素運動をしただけで筋肉が落ちる、と考える必要はありません。
以前の僕は「有酸素運動で脂肪を燃やそうとするのはナンセンス」とかなり強く書いていました。でも、これは言いすぎでした。運動の価値は消費カロリーだけではないですし、筋トレと一緒に行う選択肢もあります。
43研究をまとめた2022年の分析では、有酸素運動と筋トレを組み合わせても、筋トレだけの場合と比べ、筋全体の肥大や最大筋力への明確な悪影響は確認されませんでした。一方、素早く力を発揮する能力では条件によって不利な影響がありました。何を伸ばしたいかで組み方は変わります。
脚が疲れ切って次の筋トレができないほど有酸素運動を増やすなら、量や日程を調整する。そのくらい具体的に考える方が、「有酸素は全部ダメ」と切り捨てるより役に立ちます。
体脂肪を減らしながら筋肉も大事にしたい人は、身体を引き締めることと筋肥大の関係も参考にしてください。
20分以上できる日は、短く切り上げた方がいい?
無理なく続けられるなら、20分以上行ってもかまいません。20分が無意味なのではなく、20分未満を無意味にしなくていい、ということです。
体調や普段の運動量に合わせて、続けられる量から増やす。運動が久しぶりなら、初日から長時間を埋めようとしなくて大丈夫です。
今日は10分なら歩ける。それなら、その10分を使っていいと思います。
参考引用情報
- 本人の2020年2月17日の発信・元記事。
- Romijnら(1993):運動強度・時間と糖質、脂肪の代謝。
- 厚生労働省:身体活動・運動ガイド2023 成人版。
- NIDDK:栄養と身体活動に関する誤解。
- Schumannら(2022):有酸素運動と筋トレの併用に関するメタ分析。
資料確認:2026年9月26日。

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