増量の摂取カロリーはどう決める?維持カロリーとPFCの計算例

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増量したいけど、一日何kcal食べればいいのか分からない。計算サイトの数字をそのまま信じていいのでしょうか。

増量の摂取カロリーは、体重を維持している食事量を基準にして、少し増やし、体重・体型・トレーニングの変化を見ながら調整します。計算式で出た数字を、そのまま自分の正解にしないことが大事です。

こんにちは、モリショーです。僕が以前から伝えたかったのは「なにごとも基準が必要」ということ。なんとなく食べ続けるより、基準があれば増やす・減らすの判断をしやすくなります。

この記事は、健康な成人が筋トレに合わせて食事を考えるための目安です。治療中の方や、意図せず体重が落ちる方は、個別の指示や受診を優先してください。

維持カロリーとは?基礎代謝との違い

維持カロリーは、現在の活動量で体重をおおむね維持するための一日の摂取エネルギーです。安静時の生命維持に使う基礎代謝とは別で、仕事や移動、運動なども関係します。

僕は以前「ベースカロリー」と呼んでいました。大切なのは名前より、その量で実際の体重がどう動くかです。

以前紹介した「除脂肪体重×35〜40」は確定値ではない

たとえば体重60kg、体脂肪率20%なら、計算上の除脂肪体重は60×0.8=48kg。これに40を掛けると1,920kcalです。

これは以前の記事で使った計算例です。この条件の人が全員1,920kcalで維持できるとは限りません。体脂肪率の測定誤差もありますし、日々の活動量も違います。普段食べている量から急にこの数字へ合わせる必要はありません。

自分の維持カロリーはどう見つける?

まず普段の食事量と体重を記録し、同じ期間の傾向を比べます。体重がおおむね安定している期間の平均摂取量は、出発点になります。

  1. 食事・飲み物・間食を記録する。調味料などの抜けにも気をつける。
  2. 体重は、できるだけ同じ時間・条件で測る。
  3. 一日の値だけでなく、週平均などで傾向を見る。
  4. 仕事や運動量が変わった日もメモして、食事量との関係を考える。

僕なら、数週間の記録を見て判断します。以前は「1週間で±1kg以内なら維持カロリー」と書いていましたが、その条件だけでは確定できません。水分や食事の内容で短期の体重も変わるからです。

記録は厳密な実験ではないので、食事量にも誤差があります。それでも、同じやり方で続けると、「最近は朝食が抜けている」「活動量が増えた」など、次に見直す場所が分かりやすくなります。

増量では、維持カロリーにどれだけ足す?

最初から大幅に増やすより、小さく足して経過を見る考え方をすすめます。以前の「一律+300kcal」を、全員の正解にはしません。

計算の例として、維持カロリーが2,400kcalと見積もられるなら、5%増は2,520kcal、10%増は2,640kcalです。これは調整幅を理解する例で、この範囲なら脂肪が増えないという保証ではありません。

筋トレ経験者17人が完了した8週間の研究では、体重増加が速いほど、主に皮下脂肪の厚さが増える傾向がありました。小規模な研究ですが、急いで増やすほど筋肉にも有利とは限らない点は参考になります。Helmsら(2023年)

体重、ウエスト、トレーニングの記録を合わせて見ながら、食べられる量を調整していきましょう。筋肉を増やすことと、まず脂肪をつけることの違いは、先に太ってから筋トレをするべきかで説明しています。

PFCは割合だけでなく、グラムでも見る

Pはたんぱく質、Fは脂質、Cは炭水化物です。「3:2:5」といった比率を使う場合は、食品の重さではなく、エネルギーの割合として扱います。

概算では、たんぱく質と炭水化物は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalです。この違いがあるので、「割合」と「グラム」を混同しないようにしてください。

厚生労働省は「2:2:6固定」としていない

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、18〜49歳の目標量は、たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%です。一般の健康維持などを目的とした基準で、筋肥大専用の比率ではありません。年齢などでも一部条件が異なります。厚生労働省:エネルギー産生栄養素バランス

以前の「厚労省は2:2:6」という説明は正確ではありませんでした。また、たんぱく質の比率を高くするほどよいとも限りません。

2,400kcalで考える計算例

以下は計算の仕方を示す仮の例です。体重60kgでたんぱく質120g、脂質を全体の25%として計算すると、次のようになります。

栄養素 計算 量
たんぱく質 120g×4 480kcal
脂質 2,400×25%÷9 約67g
炭水化物 (2,400−480−600)÷4 330g

この例の比率は20:25:55。脂質は端数を丸めています。普段の食品表示も見ながら、一日の食事へ落とし込んでいきます。

運動する健康な人のたんぱく質について、ISSNの声明では体重1kgあたり一日1.4〜2.0gが多くの人に十分な範囲とされています。全員が上限を取る必要はなく、治療中の方への指示でもありません。ISSNの声明(2017年)

計算できたら、実際の食事で続けられる形にする

比率がきれいでも、食べきれなければ続きません。僕が大事にしたいのは、極端に偏らず、普段の生活で実行できることです。

炭水化物を悪者にする必要はありません。米、パン、そば、芋、餅、パスタなど、食べやすいものを選びましょう。「砂糖には意味がない」という一括りの説明もしません。量と、食事全体の組み合わせで考えます。

食が細い方は、僕が増量で工夫した食べ方と、当時使ったゲイナーへ。普通の食品で量を足したいなら、増量中の餅の食べ方も選択肢です。

数字は、自分を縛るためではなく、調整するための基準です。計算して、食べて、記録を見て直す。この順番で、自分に合う量を探していきましょう。

参考引用情報

確認日:2026年9月26日。数値例は筆者本人や読者個人への食事処方ではありません。

摂取カロリーを決めたい人は、本文の計算例を参考にしつつ、まず今の食事量と体重の動きを記録してみてください。計算結果を固定せず、調整する基準を作りましょう。

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