減量がうまくいかないとき、僕が大事だと思うのは食事も運動も、一気に変え過ぎないことです。何が効いたのか、何が負担なのか、分からなくなってしまうからです。
これは、僕が最初の大会準備で失敗して学んだことでもあります。食事を見直さず運動量を増やし、最後はよく理解しないままケトジェニックダイエットに手を出しました。
この記事では、筋トレを続けながら体脂肪を落としたい人に向けて、僕の失敗と、減量中に見直す順序を書きます。競技の計量に向けた水抜きの方法ではありません。

元パーソナルトレーナー、福岡のITベンチャーで働くサラリーマッチョ。
独学で55kgのガリガリ→75kg(筋トレ歴10年)
現在はおいしいものを食べるためにゆるく楽しく週5で筋トレ継続中。
元パーソナルトレーナー時代に得た知識と筋トレ歴10年の経験を共有します。
20代|168cm|75kg
初めてのベストボディジャパンで、僕が失敗したこと
最初の大会へ向けた減量では、食事内容を改善しようとせず、運動量を増やして痩せようとしていました。
それでも思うように進まず、最終的によく分からないままケトジェニックダイエットへ。僕の感覚では筋肉もかなり落ちてしまい、大会終了後は大きくリバウンドしました。
ただし、当時の「筋肉が落ちた」という感覚から、減った量の全部が筋肉だったとか、ケトジェニックだけが原因だったとは断定できません。ここで伝えたい失敗は、自分の食事を整理しないまま、次の方法に飛びついていたことです。
その後、ちゃんと知識を身につけようと本を読み漁りました。その中で、減量について分かりやすく、説得力があると感じたのが岡田隆さんの『除脂肪メソッド』でした。
翌年からは、その本を参考に減量を進め、僕としてはとてもうまくいきました。特に印象に残ったのが、減量の「カード」を少しずつ切るという考え方です。2020年11月4日の投稿でも、一気にあれこれ始めないことを書いています。
大会後の飲食でさらに失敗した話は、筋トレとお酒の記事に残しています。減量が終わった後まで考えておく大切さを、僕はそこで痛感しました。
「一気にカードを切らない」とは、どういう意味?
何種類もの食事制限と運動を同時に追加せず、変える内容を絞って経過を見るという意味です。玄米やウォーキングを始める時期を、わざわざ遅らせる決まりではありません。
例えば、食事を大幅に減らし、毎日ランニングし、夜の炭水化物も抜き、さらにHIITを始める。これで疲れが強くなっても、どこを戻せばいいか分かりにくいですよね。
反対に、普段の食事を記録して、量が多かった間食だけ調整するなら、続けられるかを見やすくなります。次の方法を増やす前に、まず一つの変更を振り返る。僕がこの考え方から学んだのは、そういう進め方です。
体重が止まったとき、最初に確認すること
数日の体重だけで停滞と決めず、同じ条件で測った体重の推移と、食事・活動の記録を見ます。体重は体脂肪だけの数字ではありません。
- 朝など、なるべく同じ条件で測れているか。
- 週単位の傾向はどうか。食事や塩分が多かった日なども含めて見ているか。
- 間食、飲み物、調理油、週末の食事が記録から抜けていないか。
- 歩く量や、普段の活動が減っていないか。
- 筋トレの重量・回数、睡眠、疲れ方はどう変わったか。
米国NIDDKの解説でも、減量に伴い代謝や必要なカロリーが変わることが説明されています。体重が止まる理由は「意志が弱い」だけではありません。
まずは記録の抜けや生活の変化を見て、それでも数週間の傾向が変わらないなら、食事量や活動を調整する候補を考えます。体調が悪い場合は、さらに減らすより回復と相談が先です。
食事は、カロリーと栄養の両方を見る
カロリーを決めたら、実際の変化で見直す
体脂肪を減らすには、長期的なエネルギー収支が関わります。ただ、計算式で出した値が、そのまま自分の維持カロリーになるわけではありません。
食事を記録し、体重や活動量と照らし合わせて、今の食べ方を把握します。そこから調整して、体調やトレーニングを続けられるか確認します。具体的な計算の考え方は、カロリーとPFCの基礎記事へ。
以前は「カロリーを10%減らす」を終盤の手札にしていましたが、いつでも必ず10%という意味にはできません。すでに不足している人が、さらに機械的に減らすのは避けたいところです。
PFCを変えれば、必ず停滞を突破できるわけではない
PFCは、たんぱく質・脂質・炭水化物です。比率だけを入れ替えれば体脂肪が落ち始める、という仕組みではありません。1日全体の量と、必要な栄養を取れているかを一緒に考えます。
健康な運動者のたんぱく質については、ISSNの見解に体重1kgあたり1日1.4〜2.0gという目安があります。これは誰にでも同じ量を処方するものではなく、減量の程度やトレーニング状況でも検討が必要です。
脂質をゼロに近づけたり、炭水化物を食べること自体を悪者にしたりせず、続けられる食事へ整えます。僕が筋トレと減量を両立させるときの考え方は、こちらの記事にもまとめています。
食事回数・タイミング・GIは、どう使えばいい?
食事を6回にすれば痩せる?
回数を増やすだけで、減量が進むとは言えません。1日の合計量を把握したうえで、空腹や生活時間に合わせて分けます。
Cameronらの研究(2010年)では、肥満のある成人16人が8週間の同等のエネルギー制限を完了し、3食と「3食+3回の間食」の間に、減量効果の有意な差は見られませんでした。少人数の研究ですが、「6回なら自動的に有利」という根拠にはなりません。
3食で無理なく続くなら、そのままで構いません。小分けにする場合も、追加の間食で合計量が増えていないか見てください。
トレーニング前後に食べる量を寄せる
これは、トレーニング中の空腹や、食べ過ぎによる胃の重さを調整する工夫として考えます。前後以外は脂肪燃焼時間、というように体を二つのモードへ単純に分けるものではありません。
夕方にトレーニングするなら、昼から何も食べずに行っていないか、逆に直前の食事が多過ぎないかを確認します。生活に合う配分を探すことが目的です。
白米から玄米へ変えるのは、減量末期まで待つ?
待つ必要はありません。「高GI→中GI→低GI」の順番を守ることより、食べる量、組み合わせ、続けやすさを見ます。GIは食品による血糖反応の指標で、低ければいくら食べても痩せるという意味ではありません。
僕は元の記事でも、お腹の調子やトレーニングで力を出せるかなど、自分に合う食品かどうかを大事にしていました。ただ、「体がぽかぽかする」だけで代謝が上がったとは判断できません。
有酸素運動やHIITは、最後の奥の手?
有酸素運動は減量末期まで取っておく必要はなく、HIITも必須ではありません。体力や好みに合う活動を、無理のない量で組み込みます。
僕は、食事管理と筋トレで減量を進めることを重視していました。ただ「体脂肪率10%までは有酸素なしでいける」と、誰にでも同じ境目を設定することはできません。
厚生労働省の成人向け身体活動ガイドは、日常の活動と運動を健康づくりのためにすすめています。脂肪を落とす最後の手段としてだけ扱うものではありません。
HIITは高強度の運動と休息などを繰り返す方法です。短時間でも負担が大きいため、疲労が強い減量中に「まだ痩せないから」と追加するのは慎重に。まず歩く量や、続けられる運動から見直す選択もあります。
これ以上、食事を減らさない方がいい目安は?
体調の悪化や、続くパフォーマンス低下があるなら、さらに削る前に相談してください。共通の安全な下限カロリーを、体重だけから決めることはできません。
以前の「除脂肪体重×30以上なら大丈夫」という説明は、安全の保証になりません。運動量や体の状態を考えずに、数字だけを守って制限し続けるのは避けてください。
強い疲労、めまい、月経の変化などがある場合は、医師や管理栄養士へ。体調を犠牲にして予定の体重へ合わせるより、目標や期間も含めて見直します。
減量中に読む本として、僕が参考にした一冊
『除脂肪メソッド』は、僕が翌年の減量を組み立てるときに参考にした本です。いろいろな方法へ手当たり次第に飛びついていた僕には、順序を考えるきっかけになりました。
筋トレを続けながら減量の進め方を学びたい人には候補になります。一方、病気の治療や個別の摂取量を決める相談の代わりにはなりません。書籍の説明も、自分の体調や新しい知見と照らして使ってください。
Amazonで『除脂肪メソッド』の版・価格を見る。ほかの本との比較は僕の筋トレ本まとめへ。この記事はアフィリエイトリンクを含みます。
なお、旧記事の大会に関する写真はリンク切れになっており、元データの確認待ちです。
参考引用情報
- NIDDK「Eating & Physical Activity to Lose or Maintain Weight」。食事・活動・減量後の維持。
- Cameron JD, et al.(2010)Increased meal frequency does not promote greater weight loss… 研究概要。肥満のある成人16人、8週間、3食対3食+3間食。
- ISSN(2017)Protein and exercise。
- 厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』成人版の解説。
- 岡田隆『除脂肪メソッド』ベースボール・マガジン社、2015年。書誌情報。本文中の読後の変化は筆者の体験です。
参考情報の確認:2026年9月26日。
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