総負荷量を計算すれば、いい筋トレか分かる? 数字を増やすことだけが目標になっていませんか。
筋トレの総負荷量は、同じ重さ・回数なら「重量×回数×セット数」で計算できます。ただし、その数字がそのまま筋肉の成長量になるわけではありません。
僕は2019年9月、「重さにこだわった結果、フォームが乱れてしまってはもったいない」と発信しました。筋肉を大きくしたいなら、何kgを挙げたかだけでなく、どう動かして、どれくらい取り組んだかも見たい。この記事の出発点はそこです。
総負荷量は、どう計算する?
各セットの「重量×回数」を足します。すべて同じ内容なら、最後にセット数を掛ければ計算できます。
- 50kg×10回×3セット=1,500kg
- 50kg×10回+50kg×8回+40kg×10回=1,300kg
これは、扱った重量と回数をまとめた指標です。物理でいう仕事量には移動距離も関わるので、厳密な意味での仕事量そのものではありません。
ダンベルを片手分で記録するか両手分で記録するかなども、途中で変えると比較しにくくなります。自分の記録のルールを揃えておくのが大事です。
数字が大きいほど、筋肉も大きくなる?
総負荷量だけでは判断できません。種目、動かす範囲、負荷のきつさなどが違えば、同じ数字でも内容が変わります。
極端な話、軽いものをたくさん動かせば掛け算の数字は大きくできます。それが、自分にとって十分な刺激になっているかは別です。
同じ種目でも、重さを上げるために動きを小さくしたなら、前回と全く同じ条件ではありません。マシン同士も仕組みが違うため、表示重量だけを比べて優劣は決められません。
なので、総負荷量は「同じような条件の自分のトレーニング」を比べる補助として使う。数字だけを増やすゲームにはしない方がいいと思います。
僕は「100kgを挙げた看板」を持ち歩かない
ベンチプレス100kgを挙げられたからといって、「ベンチプレス100kg挙げました」という看板を常に持ち歩いているわけではないですよね。
それより、100kg挙げられそうなカッコいい大胸筋を、丁寧なトレーニングで手に入れた方がカッコよくないですか?
これは、筋肉を大きくしたい僕の好みの話です。挙げられる重量そのものを競う楽しさもありますし、どちらを目指すかで優先順位は変わります。
ちなみに元記事を書いた当時、僕のベンチプレスの限界は130kgでした。重さを伸ばしたい気持ちはもちろんありましたが、その数字のために、やりたいトレーニングを見失いたくなかったんです。
重さ以外なら、同じ動きで回数を増やす、必要に応じてセットを足す、といった方法があります。可動域やテンポを変えることも刺激の調整ですが、先ほどの計算式には直接表れません。
週に何セットやればいい?
全員にぴったりのセット数はありません。今の量で伸びているか、次回までに回復できるかを見ながら調整します。
ACSMの2026年の見解は、健康な成人を対象とする137件の研究レビューを統合し、筋肥大には週10セット以上という比較的多い量が有利と整理しています。
これは「10セット未満なら無意味」「初心者も最初から多くやるべき」という意味ではありません。多くすれば際限なく効果が増えるわけでもなく、経験や回復状態に合わせる必要があります。
以前の僕の記事には「約15セットがよく、20セットを超えて2か月続けるとオーバーワークになりやすい」と書いていました。でも、特定のセット数と期間だけで全員の上限を決めることはできません。この部分は見直しました。
元記事で出した、胸を週2回に分ける例
| 曜日 | 種目とセット |
|---|---|
| 月曜日:計9セット | ベンチプレス3、ダンベルフライ3、ケーブルクロスオーバー3 |
| 金曜日:計6セット | インクラインダンベルプレス3、インクラインダンベルフライ3 |
合計15セットです。これは数え方と分け方の例で、僕の実際のメニューや、初心者全員への推奨量ではありません。
週の量を1日に詰め込むと、後半に動きが崩れたり、予定した回数ができなくなったりします。そういうときは、いきなり合計量を増やすより、日を分ける方法もあります。
数えるときは、準備運動の軽いセットと、本番のセットを分けてください。胸のプレスでは腕や肩も使うため、部位ごとのセット数も完全に独立した数字ではありません。同じ基準で記録して比べることが大切です。
停滞したら、まずセットを増やすべき?
すぐに増やす前に、今あるセットの内容と回復を確認します。
- 重さ、各セットの回数、休憩を記録する。
- 同じ動きを保てているかを確認する。
- 睡眠や食事、疲労の残り方を見る。
- 必要なら、重さ・回数・セット数のどれかを少し変え、経過を見る。
全部を同時に変えると、何が合っていたのか判断しにくくなります。僕の停滞時には食事やトレーニングをいくつか変えましたが、それだけで一つの変更の効果を証明できるわけではありません。実際の経過はベンチプレスの停滞を見直した記録に残しています。
負荷の増やし方は漸進性過負荷の考え方、日程は週の筋トレ頻度も参考にしてください。
この記事を書くときに参考にした本
元記事の参考書は、庵野拓将さんの『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』(2019年)でした。研究をもとに筋トレの組み方を考えたい人の候補です。
ただし、出版後にも研究は増えています。古い本の数字を、そのまま自分の絶対条件にしないことも大事です。今日の記録を始めたいだけなら、まずは手元のメモで十分です。
出版社からは2026年9月に改訂新刊『科学的に正しい筋トレ大全』も出ています。こちらはこの記事での読了レビューではありませんが、これから選ぶ場合は出版社の新版案内も確認してください。
参考引用情報
- 本人の2019年9月5日の発信と元記事。
- ACSM(2026):筋力・筋肥大・身体機能のためのレジスタンストレーニング処方。
- KADOKAWA:2019年版の書籍情報。
資料確認:2026年9月26日。商品リンクにはアフィリエイトリンクを含みます。

元パーソナルトレーナー、福岡のITベンチャーで働くサラリーマッチョ。
独学で55kgのガリガリ→75kg(筋トレ歴10年)
現在はおいしいものを食べるためにゆるく楽しく週5で筋トレ継続中。
元パーソナルトレーナー時代に得た知識と筋トレ歴10年の経験を共有します。
20代|168cm|75kg
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