子どもでも、発達や経験に合った筋トレを、適切な指導のもとで行うことはできます。「12歳までは禁止」「17歳になれば重いものを持っていい」と、年齢だけで線を引くものではありません。
僕自身、小学校や中学校で自重トレーニングをしていた記憶があります。大人になってから筋トレを続ける中で、当時の監督やコーチへの感謝を書いたのが、元の記事でした。
ただ、その経験を振り返ることと、すべての子どもに同じ練習をすすめることは別です。成長ホルモンや身長の話も含めて、見直して整理します。
筋トレをすると、子どもの身長が伸びなくなる?
適切に計画され、指導・監督された筋力トレーニングが、身長の伸びを妨げるとする根拠はありません。ただし、無理な負荷や事故によるけがまで起こらないという意味ではありません。
米国小児科学会の2020年の報告(2024年に再承認)は、適切な筋力トレーニングの利点と、安全な進め方を説明しています。
子どもだけで重さを競わせたり、指導がないまま大人のメニューを真似させたりするのは別の話です。器具の扱い、周囲の環境、動作の確認が必要になります。
元記事では、骨の成長が終わる年齢を一律に扱い「17歳から高負荷」と書いていました。発育の時期には個人差があるため、その説明は訂正します。
何歳からなら、始めてもいい?
暦の年齢だけでなく、説明を理解できるか、動きを落ち着いて練習できるか、経験に合った指導を受けられるかを見ます。
同じ年齢でも、初めて運動する子と、長く練習してきた子では違います。小児科学会も、年齢に加えてトレーニング経験を考えることを重視しています。
| 考えたい場面 | 優先したいこと |
|---|---|
| 幼児期の遊び | 走る、登る、投げるなど、楽しく体を動かす機会 |
| 筋トレを初めて練習する | 指導者と、軽い負荷で動きや器具の扱いを覚える |
| 動きが身についてきた | 発達、体調、競技の練習量に合わせて少しずつ調整する |
| 痛みや持病がある | 小児科などへ相談し、個別に判断する |
「自重だから必ず軽い」とも限りません。腕立て伏せや懸垂は、その子には重すぎる場合もあります。できない動作を回数だけ強制するより、支え方や姿勢を変えて練習できる形にしたいです。
成長ホルモンを出すために、追い込んだ方がいい?
ホルモンを増やすことを目的に、子どもを限界まで追い込む必要はありません。一時的な分泌の変化から、身長や筋肉の長期的な成長を約束することはできません。
元記事は、筋トレと成長ホルモンについての2019年の発信から始まっていました。でも、成長期の運動を考えるなら、ホルモンの量より、本人に合った練習や食事、睡眠、楽しんで続けられる環境を見る方が実際の判断に役立ちます。
成人を対象とした研究でも、運動後のホルモン上昇と、長期的な筋肥大を単純に結びつけることはできません。子どもの身長を伸ばす方法として、そこから推測を重ねるのは避けたいです。
僕の子どもの頃の自重トレーニングを、今どう振り返るか
小学校や中学校で自重の練習をしていたことを思い出すと、当時から体を動かす経験があったのはありがたかったなと思います。
元記事では、「今、元気に筋トレできているのも、小さい頃のトレーニングのおかげかもしれない」と書いていました。
その感謝はそのままです。ただ、今の体との因果関係を確かめたわけではありませんし、当時のメニューがどの子にも最適だったと証明できるわけでもありません。
僕がお父さん、お母さんに伝えたかったのは、勉強だけでなく、いろいろな遊びやスポーツを経験できる機会も大事にしてほしい、ということでした。早くから特定の結果を出させるために、追い込んでほしいということではないです。
「12歳までに運動神経が決まる」は本当?
12歳で運動の学習や伸びしろが終わる、という意味ではありません。
元記事では、神経系の発育を「12歳で100%」と表し、運動能力の可能性まで決まるように書いていました。発育の図を、その後の学習能力の上限として扱うのは誤りです。
子どもの頃に多様な動きを経験することは大切ですが、「もうその年齢を過ぎたから遅い」と考える必要はありません。これから始める子が、楽しみながら覚えていけることもたくさんあります。
元記事で紹介した、動きを組み合わせる練習
コーディネーショントレーニングという言葉も紹介していました。ざっくり言うと、周囲を見て体を動かす、タイミングを合わせる、バランスを取る、といった練習です。
- 周りとの位置関係をつかむ。
- 合図や状況の変化に反応する。
- リズムに合わせて動く。
- バランスを保つ。
- 手足や目の動きを組み合わせる。
元記事で挙げていた動画はこちらです。内容を指導者が確認し、本人にできる動きから選ぶための参考として見てください。
体幹運動の参考として、次の動画も紹介していました。ただし子ども全員への標準メニューではなく、動画の時間や回数をそのまま達成する必要はありません。
以前の「同じ姿勢で1分耐える方法はあまり効果がない」という断定も見直しました。動きを切り替えるか、姿勢を保つかは、練習の目的と難しさに合わせて選ぶものです。
始める前に、保護者が確認したいこと
- 子どもの指導経験がある人に、動きを見てもらえるか。
- 器具やスペースが体格に合い、安全に扱えるか。
- 痛い、疲れた、やりたくないと本人が言えるか。
- 部活動なども含めて、練習を詰め込みすぎていないか。
- 睡眠や食事、休む時間を確保できているか。
筋トレは、重いものを持つ競争から始めなくていいです。新しい動きができた、前より安定した、体を動かすのが楽しい。そういう経験も大事にしてほしいと思います。
指導を受けることについて、僕自身の経験から書いたパーソナルトレーニングと自分での練習を組み合わせる話もあります。子どもの場合は、さらに年齢や発達に合った指導かを確認してください。
参考引用情報
- 本人の小中学校での自重トレーニングの記憶を記した元記事。
- AAP(2020、2024年再承認):子ども・青少年のレジスタンストレーニング。
- AAP:保護者向けの解説。
- NSCA(2009):青少年のレジスタンストレーニング。
- Westら:成人の運動後ホルモン応答と筋肥大の研究。
資料確認:2026年9月26日。

元パーソナルトレーナー、福岡のITベンチャーで働くサラリーマッチョ。
独学で55kgのガリガリ→75kg(筋トレ歴10年)
現在はおいしいものを食べるためにゆるく楽しく週5で筋トレ継続中。
元パーソナルトレーナー時代に得た知識と筋トレ歴10年の経験を共有します。
20代|168cm|75kg
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