筋トレを何回やるかは、目的と種目、自分が動きを保てる負荷に合わせて決めます。「10回なら筋肥大、20回なら筋肉がつかない」と、効果がきっぱり分かれるわけではありません。
僕も「何回できる重さがベストですか?」とよく聞かれてきました。自分では負荷や回数を変える方法も取り入れ、停滞を抜ける手応えを感じた時期があります。
この記事では、回数の基本と、僕が当時行っていた使い分けを紹介します。初心者は、最初から全部を組み合わせなくて大丈夫です。

元パーソナルトレーナー、福岡のITベンチャーで働くサラリーマッチョ。
独学で55kgのガリガリ→75kg(筋トレ歴10年)
現在はおいしいものを食べるためにゆるく楽しく週5で筋トレ継続中。
元パーソナルトレーナー時代に得た知識と筋トレ歴10年の経験を共有します。
20代|168cm|75kg
筋肥大を狙うなら、10回できる重さが正解?
10回前後は取り組みやすい目安の一つですが、唯一の正解ではありません。その回数で何をどう動かせているかも大切です。
僕は以前、筋力アップ3〜7回、筋肥大8〜15回、筋持久力20〜30回という区分で説明していました。目的に合わせて負荷を考える入口にはなりますが、境目を越えると効果が消えるわけではありません。
Mortonらの2016年の研究では、筋トレ経験のある男性49人が12週間、20〜25回の軽めの負荷と8〜12回の重めの負荷に分かれてトレーニングし、どちらでも筋肥大が見られました。各セットを限界まで行った条件なので、軽ければ何となく動かすだけで同じ効果、という意味でもありません。
例えば「10回やる」と決めても、1回目と10回目で動作が全然違えば、同じ条件の10回として比べにくいです。まずは扱える重量で、同じ動きを繰り返すところから始めてください。
目的別に、どんな違いを考えればいい?
| 優先すること | 負荷・回数の考え方 | 見落としたくない点 |
|---|---|---|
| 重い重量を挙げる力 | 重い負荷に慣れる練習を組み込む | フォーム、補助・セーフティー、十分な休憩 |
| 筋肉を大きくする | 幅広い回数が候補。続けて負荷を高められる設定に | 回数だけでなく、量・努力の程度・回復も見る |
| 繰り返し力を出す | 比較的軽い負荷で多く反復する方法を使う | 回数を増やしてもフォームを崩さない |
重い重量の日と、高回数の日は、どちらもきつさがあります。高回数なら必ず安全、低回数なら必ず危険、と分けることもできません。器具と動作、疲労の具合を含めて選びます。
初心者は、最初から限界までやるべき?
最初は、動きを覚えられる余裕を残してください。フォームが崩れたり、補助が必要になったりするところまで、毎回追い込む必要はありません。
僕が初心者に高重量のフェイズを急がなくていいと伝えていたのは、まず基本の動きを覚えてほしいからです。始めて何か月かという日数だけで、扱える重さが決まるわけではありません。
「10回が限界だけど、根性でさらに5回」と頑張るより、姿勢を保ったまま何回できたかを記録する方が、次につながります。重量の刻みが大きい器具なら、先に回数が安定するのを待つ方法もあります。
慣れてきたら、同じ動きで前回より回数を増やす、少し重くするなどして調整します。詳しくは漸進性過負荷の記事へ。
MAX挑戦は、筋肉をつけるために必要?
1回だけ挙がる最大重量への挑戦は、筋肥大の必須条件ではありません。普段の複数回の記録でも、進歩を確認できます。
僕自身は、たまのMAX挑戦が刺激になると感じたことがあります。ただ、それを全員にすすめたいわけではありません。大会の練習や測定など、何のために行うかが先です。
挑戦するなら、十分な技術と準備、適切な補助・セーフティーが必要です。「3回できる重さなら1人でも安全」とも言えません。重さへの挑戦は、失敗時の対処が分かる環境で行ってください。
僕が停滞期に取り入れた、回数を変える方法
僕は当時、マンデルブロ・トレーニングとして、負荷を変える方法を取り入れていました。ずっと同じ設定で行うところから変えて、停滞を抜けた手応えがありました。
元の記事に残していた設定は、次の3つです。当時の僕の例で、初心者向けの開始メニューではありません。
| 当時の区分 | 回数の目安 | セット数 |
|---|---|---|
| 中重量 | 8〜10回 | 2〜4セット |
| 高重量 | 3〜5回 | 3〜4セット |
| 低重量 | 20〜30回 | 3〜5セット |
ただ、僕の記事間でも、毎回変える説明と、週単位で変える説明があります。実際、当時のメニュー記事では、本で読んだ2週間ごとの変更を厳密に守らず、1週間くらいで変えることもあったと書いています。
だから「この日数と回数の組み合わせだけが正解」と受け取らないでください。僕が実践していたのは、体調や予定にも合わせながら負荷に変化をつけることでした。
負荷を変えれば、必ず停滞を抜けられる?
必ずとは言えません。負荷を変える方法は選択肢ですが、食事や回復が足りない問題まで、それだけで解決するわけではありません。
35研究をまとめたMoesgaardらのメタ分析(2022年)では、トレーニング量をそろえると、計画的に負荷などを変える方法は最大筋力に利点が見られました。一方、筋肥大では有意な差がありませんでした。マンデルブロという特定の設定が最適と示した研究ではありません。
僕は効果を感じましたが、変えること自体が目的にならないように。今の方法で重量や回数が伸びているなら、慌てて複雑にしなくてもよいと思います。
休憩は短い方が効く?
短ければよいわけではありません。次のセットで必要な力と動きを保てるように休みます。
Schoenfeldらの研究(2016年)では、筋トレ経験のある男性21人が8週間、1分と3分の休憩で比較され、3分の群で筋力や前ももの筋厚に有利な結果がありました。
僕も以前は、高重量なら5分以上などと固定的に説明していましたが、種目やセットのきつさで必要な時間は変わります。息が整わず、前のセットより動きが大きく崩れるなら、回数設定だけでなく休憩も見直してみてください。
「何日で筋肉がつくか」より、記録で進歩を見る
始めて20日で筋力、40日で筋肥大、という共通のタイマーはありません。見た目だけでは気づきにくい変化もあります。
種目、重量、回数、セット数を残し、同じ条件で動けるようになっているかを見てください。体の写真を比べるなら、照明や姿勢もそろえます。
最初からMAX挑戦や複雑なプログラムを増やすより、前回の自分と比較できる練習を続けること。メニュー全体の組み方は僕の週間メニューの記事、学ぶ本を選びたい人は筋トレ本の比較を参考にしてください。
参考引用情報
- Morton RW, et al.(2016)負荷の違いと筋肥大・筋力の研究。筋トレ経験のある男性49人、12週間。
- Moesgaard L, et al.(2022)量をそろえたピリオダイゼーションのメタ分析。
- Schoenfeld BJ, et al.(2016)セット間休憩1分・3分の比較。
- 筆者の当時の負荷変更と停滞期の体感。独立した効果を測定した実験ではありません。
参考情報の確認:2026年9月26日。
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