【ボディメイクの正しい情報を広めたい】
こんにちはモリショーです(@morisyofitness)!
福岡市でフリーランスのパーソナルトレーナーをしております。
先日、以下のツイートをしました。
筋トレ初心者さんがよくやってしまいがちなトレーニング
10回限界のスクワットを3セットしたい
50kgで10回成功○
↓ インターバル3分
50kgで8回で限界がきてしまった△
↓ インターバル3分
40kgに下げて10回行った×
これは微妙…いいトレーニングとは言えない。
— モリショー (@morisyo_kintore) September 21, 2020
筋トレ初心者さんがよくやってしまいがちなトレーニング
10回限界のスクワットを3セットしたい
50kgで10回成功○
↓ インターバル3分
50kgで8回で限界がきてしまった△
↓ インターバル3分
40kgに下げて10回行った×
これは微妙…いいトレーニングとは言えない。
上記を深掘りします。
「筋トレは1セット目から3セット目まで重量と回数は変えないべきか?」かなりマニアックな疑問ではありますが、意外と多く筋トレ初心者さんが悩む問題だと思っています。
結論:変えないべき
理由:トレーニングの質が落ちてしまうから
詳しく解説していきます。
元パーソナルトレーナー、福岡のITベンチャーで働くサラリーマッチョ。
独学で55kgのガリガリ→80kg(筋トレ歴10年)
現在はおいしいものを食べるためにゆるく楽しく週5で筋トレ継続中。
元パーソナルトレーナー時代に得た知識と筋トレ歴10年の経験を共有します。
20代|168cm|80kg
「筋トレは1セット目から3セット目まで重量と回数は変えないべきか?」
結論:変えないべき
理由:トレーニングの質が落ちてしまうから
筋トレ初心者さんがよくやってしまいがちなトレーニング
10回限界のスクワットを3セットしたい
50kgで10回成功○
↓ インターバル3分
50kgで8回で限界がきてしまった△
↓ インターバル3分
40kgに下げて10回行った×
これは微妙…いいトレーニングとは言えない。
↑のようなトレーニングをしている方は非常に多いです。
僕も筋トレ3年目くらいまでやっていました。
しかし、これはあまりいいトレーニングとは言えません。
なぜいいトレーニングとは言えないかというと、「セットを重ねるごとに重量も回数も下がってしまっているから」です。
僕がこのトレーニングをしていてどうなったかというと、筋トレ3年目ごろまでは成長し続けられたのですが、途中で筋肉の成長がストップしたのです。
そして、この方法が悪かったことに気がついて修正したところ、また筋肥大が進むようになりました。
この経験から、僕はこの記事で筋トレはできるだけ1セット目から3セット目まで重量と回数は変えないべきであると伝えたいのです。
結論どうするのが正解?
トレーニングに正解はありませんが、こうした方が効果は高いです。
10回限界のスクワットを3セットしたい
1セット目:50kgで10回成功○
↓インターバル5分とる
2セット目:50kgで10回成功○
↓インターバル5分とる
3セット目:50kgで10回なんとか成功○
これです。
ポイントはインターバルです。
よくない筋トレ初心者がやりがちな例では、インターバルを3分で行っていました。
その結果、2セット目では8回しかできず、3セット目は挙げ句の果てに40kgに落としてしまいました。
これ、なんで起きたかというと「インターバルが短いから」なんです。
1セット目で50kgが10回できたのであれば、ほとんどの場合2セット目も同じ重量と回数でできます。
ただし3セット目は少し根性の部分も強くなってきて厳しいかもしれません。
しかし、大抵の場合はいけます。
そのためにはちゃんと2セット目、3セット目にいく前にインターバルをしっかりとって筋肉と心肺機能と神経を回復させる必要があります。
別に5分きっちりとれといっているわけではありません。
「ちゃんと次も同じ重量と回数ができるくらいしっかり休むべき」なのです。
「インターバルの時間は何分とればいいですか?」という質問をよくいただきます。
僕の答えは「ちゃんと次も同じ重量と回数でできるくらい」です。
ぼくはそうしてから、間違いなく停滞期を打破して筋肥大が進むようになりました。
注意点
ただし、「どう考えても次も同じ重量と回数はできひんわ」という場合は無理しないでください。
怪我してしまっては元も子もありません。
その場合は大人しく重量を下げるか、回数を減らしましょう。
どっちをとるかは自由ですが、優先順位は以下の通りです。
- 重量も回数も下げない
- 重量は下げないけど回数だけ減らす
- 重量を減らして回数を増やす
ただし、2の場合は同じ重量でやってフォームが崩れない場合に採用してください。
「同じ重量でやったらもれなくフォーム崩れるわぁ」という場合は3にしておきましょう。
種目によってインターバルに必要な長さは変わってくるでしょう。
例えば、複数の関節を使う種目(コンパウンド種目)は重さを扱いやすく、その分回復のためにインターバルは長く必要です。
しかし、一つの関節しか使わない種目(単関節種目)では、そこまで高重量を使うことは少ないのでインターバルは短めでも十分回復するでしょう。
インターバルはできるだけ短くとれた方が筋肥大効果は高いが、短くすることにこだわりすぎて重量や回数を落としてしまってはむしろマイナス。
できるだけ短くしても重量と回数が落ちない範囲での短さを目指す。
その加減は少し難しいですが、実験しつつ、自分に最適なインターバルを見つけてください。
また、心肺機能を鍛えるとインターバルが短くすむようになります。
筋トレの効率をあげるなら、有酸素運動をして心肺機能を高めるのも一つの手かもしれません。
もしくは下半身のコンパウンド種目でしっかり追い込むのも有効でしょう。
原理原則などの科学的な研究などからの視点
筋トレ初心者さんがよくやってしまいがちなトレーニングとして、「セットを重ねるごとに重量や回数が落ちていく」というものがあります。
それは結論よくないよと説明しました。
では、なぜよくないのかというと、「トレーニングの質が落ちてしまっているから」なんです。
トレーニングの質と言われてもイマイチピンとこないかもしれませんが、トレーニングの質というと以下のようにいろんな要素があります。
- 使用重量
- レップ数(回数)
- セット数
- フォームの精度
- 筋肉の緊張時間(Time Under Tension (TUT))
- メニューの組み方
- モチベーション
- 筋トレのテクニックの活用
などなど・・・
この中でもやはり一番筋肥大に大きく関わるのは「重量」です。
重量が落ちてしまう=トレーニングの質を落としている
といっても過言ではありません。
これは、ぼくが実際に経験してきた実体験でもあり、科学的にも証明されています。
なぜ「重量が落ちる=トレーニングの質が下がる」なのか
その理由を説明するためには、トレーニングの基本原則と基本原理について知ってもらう必要があります。
トレーニングには3つの原理と5つの原則があります。
筋肉の成長には欠かせない考え方です。
- 過負荷の原理・・・カラダを変えたり身体能力を向上させるには常に負荷を高めていく必要があるよという原理
- 可逆性の原理・・・トレーニングで得た効果もやめてしまうと徐々に衰えていくよという原理
- 特異性の原理・・・トレーニング内容に沿った効果しか表れないよという原理
- 全面性の原則・・・体は連動して動くものだから、気になる部分だけでなく全体的にトレーニングを行うことで、気になる部分のトレーニング効果も高まるよという原則
- 漸進性の原則・・・筋肉を増やすあるいは筋力を高めるには徐々に負荷を高めていく必要があるよという原則
- 反復性の原則・・・トレーニングの効果は1回やっただけでは表れず、反復して行うことで表れるよという原則
- 個別性の原則・・・人によってカラダは違うので、トレーニング内容を変化させなければいけないですよという原則
- 意識性の原則・・・トレーニングを行う意味や、使っている筋肉を意識しながらトレーニングを行うことで効果が高まるよという原則
原理と原則の違い
「原理」というのは、「物事を成り立たせる根本的な決まり」のこと。 「原則」とは、「社会に適用するために決められた規則」のこと
この中の過負荷の原理、漸進性の原則で言われている、「筋肉を成長させたければ徐々にどんどんと負荷を高めていかなければならない」という部分が、筋肉を大きくするために特に大事な部分です。
漸進性過負荷の原則で言われている”負荷”ですが、その負荷のあげ方はいくつかあります。
漸進性過負荷の原則については以下の記事でも詳しく解説しております。
興味のある方はぜひご覧ください。
また、重量を落とすとトレーニングの質が落ちる理由には、『サイズの原理』という原理も深く関わってきます。
サイズの原理
筋肉の活動はサイズの小さな遅筋繊維から動員され、時間の経過や強度の上昇によりサイズの大きな速筋線維へと動員される筋線維が変わっていくという原理
速筋繊維の動員には、少なくとも最大筋力の50%以上が必要である
つまり、簡単にいうと、軽い重さのトレーニングでは筋肉全体の力を使うに至らないことがあり、筋肥大が起こりやすい速筋線維を休ませたままトレーニングが終わっちゃう可能性が高いですよ〜ということです。
※遅筋線維は大きくなりにくく、速筋線維は大きくなりやすい
もちろん、軽い重量でも本当にしっかりと追い込み切る強い精神力と体力のいるトレーニングをすれば同じくらい筋肥大効果があることはわかっています。
しかし、果たしてそれほどまでにしっかりと追い込んでトレーニングができますか?というところです。
個人的な経験ですが、もっと重いものを持てるだけの筋力がありながらも軽い重量で行うトレーニングでは必ずといっていいほど甘さが生まれます。
速筋繊維を動員するよりも先に、筋肉の痛みで途中でやめてしまうのです(心理的限界)。
それでは肥大しやすい速筋線維まで届きません。
それよりも、自分が持てるギリギリの重たい重量でガッとやっちゃった方が筋肥大しやすい速筋繊維を使いやすくなるので、結果として筋肥大しやすいのです。
また、力学的な刺激といって、強い力に対抗したり耐えたりするような刺激が筋肥大には必要なのです(メカニカルストレス)。
トレーニングの総負荷量が変わらなければ、重さは必要ない?
こちらの書籍でも紹介されていた研究で、1週間あたりのトレーニングの総負荷量が同じであれば、筋肥大効果は同じであるというものがあります。
つまり、重さや回数にこだわらなくても結局仕事量に換算して、同じだけのボリュームができているのであれば筋肥大効果は一緒だよということです。
確かに、僕もこの理論には半分同意です。
しかし、先ほども言ったように果たしてそれほどまでにしっかりと追い込んでトレーニングができますか?というところです。
個人的な経験ですが、もっと重いものを持てるだけの筋力がありながらも軽い重量で行うトレーニングでは必ずといっていいほど甘さが生まれます。
速筋繊維を動員するよりも先に、筋肉の痛みで途中でやめてしまうのです(心理的限界)。
しかし、低重量でも筋肥大効果を高く得る方法があります。
そのことについては以下の記事でまとめました。
興味のある方はぜひご覧ください。
まとめ
いろいろとごちゃごちゃになってしまったのでまとめます。
- 筋トレは1セット目から3セット目まで重量と回数は変えないべきか?→変えないべき
- 変えないべき理由→サイズの原理と力学的な刺激により、肥大しやすい速筋線維が使われにくくなるから
- 変えなくてもいい場合→強靭な精神力で、速筋線維を使い切れるくらい追い込みきれるなら
- 総負荷量が同じなら重量を下げてもいい?→科学的にはいいといえるが、経験的にメカニカルストレス(力学的刺激)をしっかり与えることが、筋肥大には大事であると感じる
この記事で言いたいことをまとめると次のようになります。
筋トレは1セット目から3セット目まで重量と回数は変えないべき。
なぜなら、総負荷量が同じなら重量を下げても筋肥大効果は同じであると科学的には言われているが、経験的にメカニカルストレスをしっかり与えることが筋肥大にはとても大事であると感じるから。
ただし、高重量だけやっていればいいというわけでもない。
高重量の力学的刺激は大事だし、低重量高回数の科学的刺激も大事。
結局、いろんな刺激を与えることが大事。
はい、なんとも落ち着いた意見になってしまいましたが、これが結論です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それではみなさん今日も良い筋トレライフを!
モリショーでした。
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