筋トレした日の飲酒は、どこまで気にすればいい? 大会後に飲みすぎた僕の経験から考えます。
筋トレ後の多量の飲酒は、回復を妨げる可能性があります。飲酒中・飲酒後の筋トレは避けてください。「プロテインを飲めば帳消し」「1時間空ければ大丈夫」という話ではありません。
僕もお酒を飲みながら筋トレをしていた時期はあります。ただ、2018年のベストボディジャパン後に飲み食いし過ぎた経験は、かなり痛かったです。体重は戻ったのに、肝心の重量が挙がらない。
まずはその失敗談から。そのうえで、僕の体感と研究で分かっていることを分けて書きます。

元パーソナルトレーナー、福岡のITベンチャーで働くサラリーマッチョ。
独学で55kgのガリガリ→75kg(筋トレ歴10年)
現在はおいしいものを食べるためにゆるく楽しく週5で筋トレ継続中。
元パーソナルトレーナー時代に得た知識と筋トレ歴10年の経験を共有します。
20代|168cm|75kg
大会後に飲みまくったら、体重が戻っても重量が挙がらなかった
2018年、ベストボディジャパンへの出場を終えた後のことです。数か月の減量が終わり、久しぶりに好きなものをたらふく食べて、お酒もガブガブ飲む生活をしばらく続けました。
そのときは、とても幸せでした。そこからとんでもない地獄が待ち受けているとは知らずに……。
大会終了後、1週間で体重は10kgほど増加。「体重も戻ったし、重量も増えるだろう」と、ウキウキしながらジムへ行きました。
「ッッッッ!?全く重量が挙がらない……!?」
減量中でも使用重量はほとんど落ちていなかったのに、体重が戻ってから逆に落ちてしまったんです。それはそれはショックでした。減量前の使用重量まで戻すのに、4か月ほどかかりました。とんでもないロスです。
ただし、これを「お酒だけで筋肉が落ちた」とは言い切れません。大会後は食事量も変わっていましたし、筋肉量を精密に測っていたわけではありません。1週間で増えた10kgも、全部が脂肪や筋肉だったという意味ではないです。
それでも、僕自身は飲んだ翌日に明らかに力が出にくいと感じていました。当時の記事では、3杯以上飲むと調子に響くとも書いています。この経験をきっかけに、お酒をほとんど飲まなくなりました。
僕にとっての教訓は、大会や減量が終わったからといって、一気に気を緩めないこと。頑張った反動で、飲み方まで急に変えてしまったのが失敗でした。
筋トレ後のお酒は、筋肉にどう影響する?
少なくとも、多量の飲酒が運動後の筋たんぱく質合成を抑えた研究があります。筋たんぱく質合成は、筋肉のたんぱく質を作り直す働きです。
Parrらの2014年の研究は、運動習慣のある男性8人を対象に、筋トレと自転車運動後の回復を調べました。アルコールは体重1kgあたり1.5gという多い量です。
たんぱく質だけを摂った条件と比べ、アルコールとたんぱく質を一緒に摂った条件では、測定期間の筋たんぱく質合成率が約24%低下しました。つまり、この条件ではプロテインを飲んでも影響を打ち消せませんでした。
一方、これは少人数の短期研究です。「缶ビール1本で筋肉が24%減る」という意味ではありません。日常の少量飲酒による長期的な筋肥大の差を、そのまま計算できる研究でもありません。
飲んだ後に筋トレしてもいい?
飲酒中・飲酒後の筋トレは避けてください。筋肥大の効率以前に、安全に体や器具を扱えるかという問題があります。
厚生労働省の飲酒ガイドラインも、飲酒中・飲酒後の運動など、体に負担がかかる行動を避けるよう示しています。
「飲んだ分を消費しよう」と、その後ジムへ行くのはやめましょう。翌日も酔い、吐き気、ふらつきなどが残っているなら、予定の重量を無理に挙げないでください。
何杯までなら大丈夫?
筋トレへの影響がないと保証できる共通の杯数はありません。同じ1杯でも、グラスの大きさと度数でアルコール量が変わります。
僕の「3杯以上だと調子に響く」という体感も、ほかの人の上限にはできません。量を把握するなら、杯数より純アルコール量を見ます。
厚生労働省の計算式は、飲んだ量(mL)×度数÷100×0.8です。例えば、5%のビール350mLなら14g、500mLなら20gになります。この数字は量を把握するためのもので、安全量の認定ではありません。
以前は「体重1kgあたり1g以下なら筋肉に良い可能性」と紹介していましたが、ホルモン値の一時的な変化から、筋肉が増える効果や飲酒の安全性は判断できません。筋肉をつける目的で飲酒を始める必要はありません。
飲み会がある日は、どう組み合わせる?
回復を優先するなら、その日は飲まない選択ができます。飲む場合も、トレーニングしたご褒美だからと量を増やさないことです。
- 飲酒後にトレーニングする予定を入れない。
- 飲む前に量を決め、人のペースに合わせて増やさない。
- 空腹のまま飲み始めず、食事と水分も取る。
- 食事・休養の予定を崩すほど長く飲み続けない。
「筋トレから何時間後なら安全か」について、この記事で一律の時間は設定できません。以前書いていた「最低1時間」は、安全を保証する根拠になりません。
飲酒がある日だけ特別なサプリを足すより、普段の食事が取れているかを見直す方が先です。食べ方の具体例は、僕の身体づくりの食事記事にまとめています。
プロテインやビタミンを飲めば影響を減らせる?
飲酒の影響を帳消しにする目的で、プロテインやマルチビタミンをすすめることはできません。先ほどの研究でも、たんぱく質を摂った条件で影響が残っていました。
プロテインは食事で不足するたんぱく質を補う選択肢であって、お酒の対策薬ではありません。ビタミンB1やカリウムを飲酒後に足せば筋肉を守れる、とも言えません。
普段のたんぱく質補給を見直すなら、僕がプロテインを替えた理由と味の感想を参考にしてください。お酒を多く飲めるようにするための購入は不要です。
お酒の場で、人と同じペースに合わせる必要はありません。僕は大会後の失敗で、それをかなり高くつく形で学びました。
なお、旧記事に掲載していた当時の本人写真はリンク切れになっています。体験の記録は本文に残しています。
参考引用情報
- 厚生労働省『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』(2024年2月19日)。公式本文。純アルコール量、飲酒行動、運動に関する注意を参照。
- Parr EB, et al.(2014)Alcohol Ingestion Impairs Maximal Post-Exercise Rates of Myofibrillar Protein Synthesis following a Single Bout of Concurrent Training. PLOS ONE 9(2):e88384。原著論文。男性8人の多量飲酒条件による急性の研究。
- 筆者の2018年ベストボディジャパン出場後の体験。使用重量の低下を、飲酒だけによるものと証明する記録ではありません。
参考情報の確認:2026年9月26日。
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